- 大学職員として求められる人材像とは?
- どんな人が採用されやすい?
- 大学側が本当に必要している人材はどんな人?
上記のような悩みに対して、本記事では以下の通り解説していきます。
- 大学職員に求められる人材像
- 採用されやすい人の『5つ』の特徴
- 大学側の建前と本音について
私は、10年間以上現役で私立の大学職員として勤務しております。
毎年、新しく入職される方を見てきていますが、大学職員として採用される人にはいくつかの特徴があると感じています。
今回は、『大学職員に求められる人材像』や『内定が出やすい人の特徴』についてお伝えできればと思います。
これから、就職、転職活動を考えている皆さんは、面接対策の一部や本当に自分がマッチしている職場なのかの判断材料として活用してみてくださいね。
大学職員に求められる人材像

大学職員と聞くと、決まった仕事を淡々とこなすだとか、窓口で学生の相談を受けるだけのイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、実際には能動的に動ける人材がが求められています。
具体的には以下のような方が大学職員として求められる人材像です。
- 自ら進んで行動できる人
- 大学の現状を理解して改善案を出せる人
- 専門部署であればマッチした技術や知識
もう少し、理解を深めるために1つずつ解説していきます。
自ら進んで行動できる人
どの職場でも言えますが、大学職員においても自ら行動できるという点は非常に重要です。
大学の職員のイメージとしては、窓口対応や証明書の発行業務など雑務を中心としたお仕事をイメージされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、正規雇用で採用となる場合、言われた通りにやるだけのお仕事や、定型化されている業務をこなす業務よりも『自ら考えて行動する』、『問題の解決に向けて提案・改善する』力が求められます。
たとえば、入学者を増やすために、今までにない新しい広報活動を検討したり、高校生対象のオープンキャンパスなどで来場者満足度を向上させるための施策、入試選抜方法の見直しなど大学の運営面を改善する提案を自ら行い実行していかなければいけません。
大学職員に限らず、世間一般的に求められるような人材像かもしれませんが、大学においても自分で考えて行動できる能力や素質は重要です。
大学の現状を理解して改善案を出せる人
勤めたいと考えている大学が今どんな状況におかれているのかを的確に理解するのも大切です。
今の時代、18歳人口の減少が顕著に表れているため、大学の定員を確保できず収益が下がっている大学が多く存在します。
そのような状況を打破するためには、今までにない考え方で改善に結びつける必要があります。
大学側が欲しい人材としては、抱えている問題点を的確に把握して、別の視点から提案できる人が挙げられます。
また、大学が抱えている問題は学生の定員の確保だけではなく、他にも様々な点があるでしょう。
いくつか例をだすとすれば
このように、今の大学は問題が山積みなのです。
大学側としては、問題解決を進めるため上記のようなポイントをおさえて新しい考え方を提案して改善していける人材が欲しいと考えています。
専門部署であればマッチした技術や知識
大学には一部専門的な部署もあり、その分野に特化した人材も必要となる場合があります。
例えば、教育の質改善のためには、 『過去在籍していた学生』と『現在在学している学生』の成績状況や出身校、特徴、学習時間など様々なデータをもとに比較して、データを分析しながら傾向を掴んでかなければなりません。
そうなってくると、統計学を学んできた方やBIツール(データを可視化する専門のソフトウェア)の利用に長けている人材が必要になります。
上記は一例ですが、大学にはIT関係や、営業部署、教員の実習をサポートする技術職員などその他にも多くの専門部署があります。
一般事務だけでなく、過去の経歴を活かした専門性のある知識や技術を要した人材が欲しい場面もありますので、頭に入れておきましょう。
採用されやすい人の『5つ』の特徴

実際に働いていると、『この人は大学職員として向いているな』と感じるいくつかの特徴があります。
面接の時などに以下のような雰囲気や性格が伺えると採用されやすい傾向があります。
- 親しみやすさがある
- 論理的に会話を進める
- 柔軟な発想や対応ができる
- 落ち着いていてなおかつ明るい
- 過去の経験を大学運営に当てはめて考えられる人
具体的にそれぞれの特徴について確認していきましょう。
親しみやすさがある
大学職員には「親しみやすさ」がとても大切だと感じます。
学生や保護者から質問や相談を受ける業務が多いため、ファーストコンタクトの好印象は必要不可欠なのです。
相談者が抱えている問題や疑問点は、表面上の課題だけではなく、相談者本人も気づけていない原因があったりしますので、相手の悩みを詳細まで引き出すためには、「この人は話しやすい」と感じ取ってもらえると感じ取ってもらう必要があります。
人によって好き嫌いは分かれるかもしれませんが、顔の表情が穏やかだったり、笑顔が自然、しっかりと耳を傾けてくれていると感じさせるリアクションをとるといった点が挙げられるでしょう。
採用面接のときにもその人の雰囲気を観察される可能性もありますので、頭に入れておくようにしましょう。
論理的に会話ができる
話の筋が通っている会話ができる人も採用されやすい人の特徴に当てはまります。
学生や保護者に限らず、事務職員は大学の教員や、学外の方とも接しなければいけません。
その中で、トラブルや問題点にぶつかったときに、筋が通っていて、なおかつ理論的な会話ができなければ、相手を納得させるられずに、不満を残していしまう原因になります。
不満を残さず問題が解消できると、相手方の大学に対する印象が良くなりますので、今後の大学運営においてプラスになります。
対応する人をきちんと納得させられる理屈が通った話し方ができる力は、大学職員として働いていく上で、重要な要素だと言えます。
柔軟な発想や対応ができる
固定概念にとらわれない考え方ができる人も特徴のうちの1つです。
大学の運営というのは一見あまり変化のないものに見えがちですが、実際の職場ではたくさんの変化があります。
窓口で接する人間のタイプも違えば、世の中の流れに沿って学校の運営方針も変わっていきます。
学生の対応1つとっても
その子の性格や、起きた事象に対して臨機応変に関わり方を変えていく必要があります。
基本的に上記のような業務においてマニュアルは存在しませんので、その場に適した行動やを自分で考えなくてはいけません。
そのためには、柔軟な発想や対応はとても重要になります。
落ち着いているが明るい
実際の職場では、落ち着いていている性格の方が多い印象です。
一般企業やベンチャー企業のようなバリバリ活動的に過ごすというよりも、学生や教員など接する人に対して高圧的な印象を与えない方が窓口対応においてはメリットがあります。
学生や教員の中にはちょっと強気で威圧感がある方もいて、意見が食い違ったり、トラブルが起きた時に落ち着いた対応ができないと、正面からぶつかってしまうことになり、結果的に上手くその場を収められない状態になってしまいます。
どんな人が相手でも、落ち着いて対応ができ、なおかつ明るい人は相談しやすい環境づくりができるため大学職員に向いている傾向が伺えます。
過去の経験を大学運営に当てはめて考えられる人
新卒採用、転職者に関わらず過去の経験を大学運営を活かせる人は採用されやすいでしょう。
面接時に、自分が今までやってきた経験や持っている知識をアピールするだけでは不十分で、その経験や知識をどう大学改善に役立てていけるのかという点を明確にイメージできた方がよいでしょう。
仮に、新卒として入職希望の場合、大学生時代に取り組んできたボランティアをアピールするだけでは「そうなんだ、偉いね」で終わってしまいます。
ボランティアの経験から、多くの人と関わった結果、良い関係性の構築に必要な要素はなんだったのか、その要素を用いてどうしたら学生の対応満足度があがるのか、教員に対しての円滑なフォローを行い授業の質を上げるにはどうすればよいのか、まで落とし込めた方が良いでしょう。
自分には大して大きなスキルや経験がないと思いがちですが、大学運営側の視点に立って活きることってなんだろう?という視点を持てる人は採用されやすい傾向にあります。
大学側の建前と本音について

採用をされるためには、大学側の建前的な求める人材像だけでなく、現場が本当に欲しいと思っているポイントを理解しておいた方が良いでしょう。
ここでは、建前と本音について解説していきます。
2つの観点を織り交ぜて面接対策をしておけば、内定をもらえる確率が上がるはずですのでぜひ参考にしてみてください。
大学が求める人材の建前
大学には各々呼び方は異なりますが『教育理念』や『教育指針』など目標を掲げています。
建前とはいっても、この目標はとても重要なポイントになりますので必ず押さえておくようにしましょう。
『教育理念』とは、その大学がどのような学生を育て上げていくのを目標としているかという大きな指標で、『教育指針』は学生を育て上げる具体的な方策を示しています。
大学側の建前としては、理念や指針に共感できる人材を求めます。
とても大切な要素なのですが、実際の現場ではもっと別の需要を満たす人材が欲しいと思っているケースが多々あります。
とはいえ、採用志望をするのであれば建前上であっても『教育理念』や『教育指針』しっかりと押さえておくべきです。
本当に現場が欲しい人材の本音
建前をおさえたうえで、今本当に大学側が求めている人材とはどんな人材なのかを捉えるようにしましょう。
正直なところ、現場で働いている人は教育理念や教育指針は知っていても毎回その方針に合わせた対応をおこなっているかと問われればそうではない場合の方が多いでしょう。
採用されるタイミングや、求人内容によって異なりますが基本的には『癖がなく素直な方』と一緒に働きたいと考えています。
大学職員には、そこまで高度な知識やスキルは求められません。
特別な能力はいらないのですが、人との繋がりや連携がとても重要な職業ですので協調性が強く求められます。
自分の今までやってきた仕事や大学生時代の学歴や経験を主張してしまうと、「変なこだわりを持ってしまっている人なのではないか?」と捉えれてしまう可能性があります。
自分の強みをアピールするのも悪くはないのですが、それ以上に、おおらかな雰囲気、はきはきとした返答、自然な笑顔、謙虚な姿勢を意識して誰とでもうまくやっていける『素直さ』を強調したほうが良いです。
専門的なスキルはそこまで重要ではなく、「一緒に働きたい」と思う人を採用したいのが大学の現場における本音です。
人材像と特徴を理解して、採用試験に活かしましょう
いかがでしたでしょうか?
本記事の内容をまとめると以下の通りとなります
- 自ら進んで行動できる人
- 大学の現状を理解して改善案を出せる人
- 専門部署であればマッチした技術や知識
- 親しみやすさがある
- 論理的に会話ができる
- 柔軟な発想や対応ができる人
- 落ち着いているが明るい
- 過去の経験を大学運営に当てはめて考えられる人
- 大学が求める人材の建前
- 『教育理念』や『教育指針』に共感できる人
- 本当に現場が欲しい人材の本音
- 周囲の人と協調性が上手に取れる『素直な人』
今回は、実際に働いている私の目線から大学職員として採用されている人にはどんな特徴があるのかについて解説してきました。
採用時に求められている基本的な人材像も大切ですが、それぞれの大学が置かれている現状を把握して、「本当に必要な人材はどんな人なんだろう」と考えてみるのもとても大切になってきます。
そのためには、大学の特色や地域柄、雰囲気をしっかりと調査しておきましょう。
大学職員を目指す皆さんの参考になれば大変嬉しく思います。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました!