- 『大学職員』の総務部って何をしているんだろう?
- 具体的な仕事内容が知りたい!
- 業務内容を理解して、就職・転職活動に役立てたい!
就職先や転職先として、人気の高い『大学職員』。
これからのお勤め先に、検討している方も多いのではないでしょうか。
一般的に、ワークライフバランスが取りやすいイメージがあるため、希望者が多く、採用倍率も高い傾向にあります。
大学職員には、前回ご紹介した『学生支援部署』以外にも、『総務部署』が存在します。

どちらの部署も、広い視点で見ると、大学の運営全般を担う点では変わりありません。
ただし、支援する対象が異なります。
今回は『総務部署』に焦点を当てて、仕事の役割や内容を解説したいと思います。
現役で、大学職員として勤めておりますので、現場の様子を踏まえてお伝えできるかと思います。
これから、大学の事務職員として活躍したいと考えている皆さんは、ぜひ、参考にしてみてください。
『総務部署』の主な役割は、大学運営の土台となること
大学の総務部は、学校で働いている教職員が、快適に仕事を進められるよう支援するのが、大きな役割の内の1つ。
大学の役割とは、学生へ対しての教育サービス提供です。
教職員に、不自由なく仕事をしてもらえる環境を整えることで、結果的に質の良い学習環境を生み出せます。
ダイレクトに学生と関わることは多くないですが、学びの場を快適にするという点で、大学にはなくてはならない部門です。
また、大学は教育機関であるのと同時に、ビジネスでもあります。
学生は、自身が社会に出ていくために知識を得たり、今後どう生きていくのかという問いに対して答えを見つけるために大学へ通います。
その対価として、お金を支払い、支払われたお金は教員や職員の給料として支給されるのです。
そのため、学びたいと思う学生がいなければ大学は成り立ちません。
したがって、学生のニーズを捉え、入学者を増やすための学生募集活動も大学経営には必要不可欠です。
教職員や学生に対して、より良い環境で働き、学んでもらえるように、大学の基盤を支えることが総務部の役割となります。
総務部には『4つの部署』がある
総務部の中にも、携わる業務によって部門が異なります。
大学の総務部では、以下の4つの部門で成り立っていることが多いです。
- 庶務・人事課
- 会計課
- 入試・広報課
- 図書課
それでは、それぞれの具体的な仕事内容を踏まえながら、どのような役割なのかを見ていきましょう。
①庶務・人事課
職場で働いている、教員や職員の業務を、円滑に進めるためにサポートすることが庶務・人事課の仕事内容になります。
具体的な業務としては、以下の通りです。
- 教職員の出勤管理
- 入職希望者の採用対応
- 国や地方自治体からの学校状況調査対応
- 給与の支払い
- 入学式や卒業式の学内行事運営
働く人たちの勤務状況を把握し、適切な給与の支払い、大学運営を行うために必要な人材の確保を行います。
また、正しく大学が機能しているかを評価するため、定期的に国や地方自治体から調査やアンケートの回答を求められます。
総務部署の中心となる場合が多く、たくさんの人と関わるのが特徴です。
普段から教職員とコミュニケーションをはかり、気を効かせるホスピタリティ能力が大切です。
②会計課
ビジネスである以上、必ずお金が発生します。
そこで活躍するのが会計課です。
大学のお金を、正確に取り扱うことが中心の部署です。
会計課はこんな仕事を担当します。
- 大学で使用する予算査定
- 教材や備品の支払い処理
- 入学金や授業料等、学費の取り扱い
- 教育研究費の精査
- 会計監査対応
相見積もりの徹底、必要経費の見直しなど、無駄な支出を改善することも求められます。
その他、大学のお金が不正に使われていないか、ずさんな処理が行われていないかを評価するための会計監査対応なども行わなくてはなりません。
金銭は、特にトラブルになりやすい案件です。
間違いのない正確な処理をすることが重要になってきます。
③入試・広報課
入試・広報課は、大学と高校を繋ぐ部署になります。
大学は、入学してくる学生がいなくては、そもそも成り立ちません。
ですので、できるだけ多くの高校生に対して、自校の特色を発信し、学生募集を行う必要があります。
また、教育目的にあった生徒の受け入れを行うのも主な役割です。
具体的な仕事内容としては、
- 大学案内パンフレットの制作
- 高校訪問
- 高校生対象の説明会、相談会対応
- 入学選抜試験の実施
- 入学志願者の確保、入学定員の充足
などが挙げられます。
一般企業でいうところの、営業に近いでしょうか。
高校の先生へ定期的な挨拶や、情報提供を行います。
大学の教育方針や、学べる内容を理解してもらうことで、その高校に通っている生徒に当てはめてもらい、大学への進学を薦めていただきます。
高校の先生だけでなく、個別相談会などを通じて、直接、高校生と関わります。
大学の特色を伝え、進学先として検討してもらう必要があるからです。
また、大学へ入学するためには、原則、入学選抜試験を受けなくてはいけません。
間違いのない、公平な選抜を行うために入試問題の策定や、選抜方法の見直しを行うことも入試・広報課のお仕事です。
定員充足率や、入学志願率など、大学職員のなかでは珍しく、数値成果を求められる部署です。
④図書課
ほどんどの大学に図書館があるかと思います。
本の貸し出し業務や、学習室の整備をして、学びの場を提供するのが、図書課の業務です。
教育現場である以上、十分な学習環境を整える必要があります。
ですので、具体的には以下のような仕事内容になります。
- 本の貸し出し、返却対応
- 自習室の管理
- 学生の学習ニーズに合った書籍の購入検討
- 書籍の電子化に伴う、システム管理
- 学内の学術情報の発信
大学の図書館で扱う資料は様々です。
一般的な図書や、雑誌、論文、新聞などの紙媒体など。
その他にも、CDやDVD、Blu-ray教材などのディスクも管理しています。
最近では、スマホなどタブレットで見ることができる、電子書籍を取り扱うこともあります。
また、大学によっては、通常の座席以外にも、個別の自習室やグループ討議室などがあります。
いろいろな学習ニーズに合わせて、学びの幅を広げてあるげることが図書課の役割です。
『総務部署』は、大学の基盤になる部門
大学の総務部署の業務は多岐に渡ります。
学生と関わることが少ないと聞くと、あまり、やりがいのないように聞こえますが、決してそんなことはありません。
総務部署のお仕事の先には、結果的に学生へ還元される業務がほとんどです。
また、総務部署では、大学の状況に関する情報が様々なところから入ってきます。
常に全体を把握し、すぐに対応しなければなりません。
そのため、自然と人と関わることが多いため、社会人として一番重要だといっても過言ではない『コミュニケーション能力』を鍛えることができます。
『総務部』は大学運営の基盤になる部署で、とても奥が深く、やりがいのある仕事だということが分かってもらえたら嬉しく思います。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました!