- 労働時間の目安はどれくらい?
- 残業はあるの?
- 休暇の取得については、どんな感じ?
勤め先として、比較的人気の職業である大学の事務職員。
就職を検討している人も多いのではないでしょうか。
私は、大学を卒業してそのまま事務職員になりました。
今では、勤務年数が10年以上になります。
自身の経験から、労働時間や残業、休暇の取得について、お伝えできればと思います。
入職後のギャップが大きくならないよう、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。


基本的な労働時間はどれくらい?
原則、8時間労働、1時間休憩が規定の就業時間になります。
他の大学の求人を見ても、そこまで大きな違いはありませんでした。
皆さんの印象と、大きな違いはないかと思います。
ただし、あくまで注意すべき点はこの『原則』というところ。
実際の現場では、少し違うという点をご紹介したいと思います。
実際の労働時間
働いてみるとわかりますが、想像している以上に残業が発生します。
仕事内容を考えてみると、理解いただけるかと思います。
日中の主な仕事は、部署にもよりますが基本的に、学生や教職員のサポートになります。
窓口や電話の相談対応、授業の準備や、教室の機器トラブル、各種会議の調整や、イベント企画などが例に挙げられます。
『人』を支援する職種なので、日中は対人関係の業務が中心となるのです。
ただし、その他にも大学の事務職員には、多岐にわたる仕事が存在します。
国や地方自治体から依頼される各種調査や、その日におきたトラブルの後処理、広報冊子制作のための校正作業、業者や教職員・学生からのメール問い合わせ返信など。
日中は対人業務、終業後には事務的業務という形になるため、残業が発生するのです。
残業時間はどれくらい?
月20〜40時間という数字を見て、イメージと異なると感じる方もいるのではないでしょうか。
私も、入職する前は、多少の片付けなどがあり、ピッタリ定時に帰宅はできないとは思っていました。
しかし、勤めてみると、思いの他、窓口が閉まってから、ようやく、自分の仕事が始められるというのが現実でした。
月40時間とは、平日5日間働くとして、毎日2時間ほどの残業になる計算です。
ただ、あくまで平均ですので、もちろん月20時間未満の時もあります。
逆に、繁忙期などは60〜80時間の残業があることも珍しくありません。
この20〜40時間を楽か、大変かと感じるのは、人それぞれかと思います。
残業代の支払いは?
満額しっかりと支払われるのは、嬉しいところです。
大学職員は、基本的に公務員に準じた給与体系になっているところが多いため、きちんと申請すれば残業代は支払われます。
私のところでは、17:00が業務終了時間、そこから、15分単位で残業代が支払われます。
ちょっとだけ注意するとすれば、退勤記録を残した後で、顔見知りの学生や先生が相談しに来ることがしばしばあります。
流石に、『もう仕事は終わったので、相談にはのれません。』というわけにはいきません。
このような場合は、サービス残業になるケースがあります。
ただ、残業と考えるより、頼られているんだという思考が強く、あまりマイナスには捉えません。
休暇はどんな感じ?
土曜日については、午前中に授業が組まれていることが多いたため、出勤しなければならない大学が多い印象です。
私の大学では、土曜日の『指定休』というものが存在し、月に2回お休みを取ることができます。
30日のうち、日曜は4回お休み、土曜は2回お休みが基本で、プラスして祝日がお休みです。
ただし、時期によっては、高校生向けの学校見学会『オープンキャンパス』や『入学者選抜試験』、『研修』があるため休日出勤もあります。
休日出勤した分については、振替休日がもらえますので、平日に取得することが可能です。
長期休みはあるのか
学校がやっていない日は、事務職員もお休みと考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
ただ、学生や教員がいなくても、やらなくてはいけない業務はたくさんあります。
長期休み期間中の主な仕事として、繰り返しになりますが、高校生対象のオープンキャンパスの企画・準備・運営業務があります。
また、年末から年明けには、入学選抜試験や、年度末には、新入生の受け入れ準備などが挙げられれます。
ただ、繁忙期というわけではないので、この期間は比較的、残業時間は少なめになります。
有給休暇は取得しやすい?
きちんと消化できている人もいます。
ただ、配属される部署によって大きく分かれることが多いという印象です。
特に、休日出勤が多めに発生する部署では、有給休暇を取得する前に、休日出勤分の振替休暇を使用しなければなりません。
そのため、有給休暇まで至らないことがあります。
ちなみに、有給休暇の買取などはありません。
使用しなかった有給休暇は、翌年に持ち越されます。
持ち越されて、1年間使用しなかった分については消滅してしまいます。
ただ、今では働き方改革が積極的に行われています。
しっかり仕事を終わらせれば、職場の雰囲気的には、有給の取得は問題なくおこなえます。
世間がイメージしている『定時上がり』『残業なし』とはちょっとだけ異なる
大学職員ってホワイトなんでしょ?と、言われることが多々あります。
確かに、世間一般的に見れば激務というわけではないことが多いでしょう。
ただ、多くの人がイメージしているような
- 『定時上がり』
- 『残業なし』
- 『休み期間の長期休暇あり』
とは少し違うということだけは覚えておいてほしいと思います。
大学職員とはいっても、事務作業をするだけではありません。
時には、イベントの企画立案や高校訪問などの営業活動、学生確保のための数値成果を求められることもあります。
特に、少子高齢化が進む日本では、若い世代の人数が極端に減っています。
そのため、これから先、定員充足できない大学は、残念ながら経営が困難な時代が来るのは間違いありません。
各大学、工夫を凝らして様々な活動に挑戦せざるを得ない状況なのです。
ただ、学生一人一人と関わり、信頼関係を作れる良い職場だと私は考えています。
人が成長していく過程を、間近でみることができます。
入学当初は問題ばかり起こしていた学生が、卒業間際に寄せ書きや、手作りのアルバムを作ってくれ、お礼を伝えてくれたこともありました。
大変なこともありますが、素敵な職場と私は思います。
ぜひ、労働時間や残業という観点だけでなく、大学事務職員の根本的なやりがいにも目を向けてもらえたら嬉しく思います。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました!