- 大学職員の採用は、母校の生徒が優遇されるの?
- 母校ではない大学の職員になることはできるのか?
- どんな人が採用試験に合格するのか?
大学職員の採用試験において『母校出身者の方が有利』という話を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
今回は、現役で大学職員として働いている私の目線から、『なぜそのような話が出るのか』、についてを中心に、『採用試験に合格するために本当に必要な事』を解説したいと思います。
本記事は、以下の内容になっています。
- 母校出身者の方が、『採用試験に有利』と言われる理由
- 母校でなくとも大学職員になれます
- 採用面接に合格する人の特徴3選
今後、大学職員を目指す皆さんへ、採用試験の参考になれば幸いです。
母校出身者の方が、『採用試験に有利』と言われる理由
結論から言うと、学校の雰囲気や、風潮を的確に理解しているという点が強みなのです。
自分が通っていた大学ですから、『うちの大学は、こんな大学』という点について、理解度が、他大学出身の方に比べて単純に高いことが大きな理由でしょう。
学部や学科の種類、大学のレベル感、校風を的確に把握しているはずです。
また、在学中の経験から母校へ対しての改善点が既に見えている場合もあるでしょう。
例えば、相談事があっても、事務の窓口は堅苦しく近寄りづらかった、など。
自身の体験があるのは、やはり強みに繋がります。
また、イメージがマッチしていることで、離職に繋がりづらいということもあります。
『母校だから、愛校心がある』事が重要なのではなく、通っていた経験から『大学への正しい印象』を正確に把握している点が強みなのです。
母校でなくとも大学職員になれます
実際の職場では、他大学出身者の方が多い
実際に働いている職場を見渡してみると、母校出身者の方が遥かに少ないのです。
全体の割合で表すと、母校3割:他大学出身者7割くらい。
母校出身者が多いという印象は、『実際に働いている人』ではなく、学校側からの紹介で『採用試験を受ける人数が多い』というところからきているのではないのかと思います。
志望大学の特徴を抑えることが大切
先ほども記載しましたが、『大学への正しい印象や特徴』を捉えていることが大切です。
例えば
- 学校の雰囲気は、活気があふれる学校なのか、穏やかな校風なのか
- 学部や学科にはどのような特徴があり、優れている点はどこなのか
- キャンパスの規模感は、大きいのか小さいのか
- 問題点(学生数の減少や施設設備面の不便さなど)について理解しているか
以上のような点です。
基本的な部分をおさえておけば、母校出身でも他大学出身でも関係はありません。
他大学の卒業生であることが、強みになるケースさえある
逆に、母校でない方が強みになるケースもあります。
現在、18歳人口の急激な減少により、多くの大学では学生募集に苦労しています。
そのため、大学側は新しいアイディアや別角度からの視点を求める傾向にあります。
そこで、他大学卒業の経験があれば、他校での良かった点を取り入れたり、自分の母校と、志望した大学の良い点悪い点の比較することも可能です。
他大学に在学していたからこそ見えてくる点を、アピールできることでプラスに繋がるのです。
採用面接に合格する人の特徴3選
志望大学で働きたい理由が明確な人
大学とは一言にいっても、全国には数多くの学校が存在します。
なので、志望動機を明確にしておきましょう。
『なぜ、この大学を選んだのか』という問いに対して、他大学との違いや志望校の特徴を答えられるようにしてください。
例えば、大学にはそれぞれ『教育理念』や『教育指針』が存在しますので、内容をしっかりと理解し共感すること。
または、学校の雰囲気や、学校の特色が他大学と比べて、どう違いどこに魅力を感じたのか。
できるだけ鮮明に差別化を図ることが肝心です。
大学のホームページを読み込むのは必須です。
その他、大学が発行しているフリーの情報誌やチラシには、今大学が力を入れている事柄を知ることができるので、取り寄せてみましょう。
一般企業に面接を受けるのと変わらず、様々な角度から大学を分析することが必要です。
大学職員の仕事内容に対して、正しい理解を持っている人
大学職員は簡単な窓口対応、単純なルーティーンワークという印象をお持ちの方は要注意です。
大学の事務職員の仕事について正しく理解しておきましょう。
特に、具体的に採用対象の部署が分かっているのであれば、その部署に特化した仕事内容をあらかじめ調べておくことをおすすめします。
大学の職員は、単純な事務作業をこなす役割ではありません。
むしろ、全く反対で、日々変化する状況に、自ら考え、行動して、多くの人と関わるお仕事です。
参考までに、別の記事で具体的な仕事内容をまとめております。
大学職員の仕事イメージがぼんやりしている方は、ぜひ、ご参考までにご覧ください。


新卒は面接中の印象が大切。
中途採用者は、前職の経験を活かせると良し。
先述の通り、大学職員は多くの人と関わるお仕事です。
円滑に業務を進めるためコミュニケーション能力が求められます。
その中でも、話し方の雰囲気や表情の豊かさを評価されることが多い印象です。
穏やかな性格、常ににこにこしていて表情豊か、落ち着いて発言ができる、相手の気持ちを考えて話せるなど。
誰とでもうまくやっていける能力のある人が受かりやすい傾向にあります。
また、中途採用者の場合は、募集されている部署によって前職の経験を活かすこともプラスに働きます。
新卒とは違い、即戦力として求められているからです。
例えば、
- 広報関係の部署
→情報発信のノウハウ、今まで上げてきた数値的成果 - 学生募集に携わる部署
→各高校の現状や、志願の傾向、営業スキル - 学生と関わる部署
→人材育成の経験
など、他にも色々とあります。
そもそも、10分〜20分程度の面接をするだけでは、その人の仕事処理能力を図ることは不可能です。
しかし、『人と関わる仕事』において、面接中の印象の良し悪しは評価に直結します。
面接の対策ができるような場所があるのであれば積極的に活用してください。
可能であれば、1人ではなく色々な方に練習をお願いしましょう。
客観的に自分の印象に対して、フィードバックをしてもらうことが重要です。
『母校が有利』ではなく、大切なのは大学への理解度
いかがでしたでしょうか?
今回の記事をまとめると、以下の通りとなります。
母校出身者の方が採用試験に有利と言われる理由
自身が通っていた大学なので、特徴や特色を的確におさえているため
母校でなくとも大学職員になれます
- 大学の特徴について、事前のリサーチをすることで、差は埋めることができる
- 実際に働いている人を見ても、母校出身者の方が少ない。
- 志望大学で働きたい理由が明確な人
- 大学職員の仕事内容に対して、正しい理解を持っている人
- 新卒は面接中の印象が大切。
中途採用者は、前職の経験を活かせると良し。
大学の特色や、求められている人材像を正確に把握することが何よりも重要です。
この点さえ理解しておくことで、出身校でなくても、採用面接で良い印象を与えることが可能になります。
『母校ではないから不利なのかも…』と考えるのはやめましょう。
本質は、大学側が求めているニーズに答えられるかどうかです。
事前のリサーチ、仕事内容の把握、面接の練習をしてフィードバックをもらうという3点を意識してみることから始めてみてくださいね。
以上、本記事が少しでも皆さんの手助けになれば大変嬉しく思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!