- 大学の職員になるにはどんな能力が必要なんだろう
- 事前にどのような準備をしておいたほうがいいのかな
- 自分でも大学職員として務まるのだろうか
上記のような悩みに対して、本記事では以下の通り解説していきます。
- 大学職員に必要な能力とは
- 大学職員を目指すために準備しておきたいこと
- 高度なスキルが不要な理由
就職・転職先として人気の大学職員ですが具体的にどのような能力が必要なのかわからないと悩んでいる人も多いかもしれません。
私は、10年間大学の事務職員として働いています。
実務を通して、「こんな能力は必要かも」と思う能力についてお伝えできればと思います。
今後、大学の職員を目指している方は、今の自分にある能力なのか、もし身についてなければ、どのような準備をしておいた方がよいのかについて参考にしてみてくださいね。
大学職員に必要な能力とは

パーソナルスキルとは、人間的側面における能力です。
例えば、どんな人とでも良好な人間関係を構築できる、調整役としてその場をまとめられる、協調性をもって仕事に臨めるなど人と関わるときに重要な能力です。
大学職員として必要な能力を挙げるとすれば以下の3点になるでしょう。
- コミュニケーション能力・折衝力
- 問題解決能力・発想力
- ExcelとWordの基本的な操作
ExcelとWordの基本的な操作はパーソナルスキルではありませんが、必要な能力ですので少しだけ触れておきたいと思います。
それでは、もう少し具体的にひとつずつ解説していきます。
コミュニケーション能力・折衝力
大学職員に最も必要な能力は、コミュニケーション能力および折衝力です。
コミュニケーション能力はピンとくる方も多いかもしれませんが、折衝力について馴染みがないかもしれません。
折衝力とは簡単に言ってしまえば『意見が食い違ったときにうまく落としどころを提案する能力』です。
大学の事務職員の基本業務は、『学生や教員が円滑に学校生活を送るためのサポート』になります。
懇切丁寧な支援を行うには、相手の話にしっかりと耳を傾けて問題を解決に繋げたり、相手の立場や状況を理解して配慮をする必要があります。
具体例をあげるとすれば、
このような能力が大学職員には必要不可欠です。
大学にはちょっと個性的な教員や学生がたくさんいます。
どんな人が相手でも、対応する方にとってベストなコミュニケーション方法や説得の仕方を使い分ける能力が大学職員に重要な能力です。
問題解決能力・発想力
自分の力で解決に導く「問題解決能力」、新しいアイディアや方策を考える「発想力」も必要です。
大学の事務職員と聞くと『形式的な事務仕事をやればOK』というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、現実問題、大学ではたくさんのトラブルが発生します。
専門的な分野でないからこそ、幅広い分野の問題に対応を求められるのです。
人によって悩みは様々ですので、決まったマニュアルは存在しません。
そのため、同僚や上司に相談をして意見を伺い、自ら考えて解決に繋げる必要があります。
大学職員には、自分の頭で問題解決を行うための能力、問題に対して柔軟に対応できるような発想力が非常に重要になります。
問題解決能力については、以下の記事でも触れています。
自分の力で考える力の身に着け方や具体的な方法を解説していますのでこちらも参考にしてみてください。

ExcelとWordの基本的な操作
最低限、ExcelとWordは扱えた方がよいでしょう。
事務作業の多くはPCを使用して行うことになります。
部署によって作業内容は異なりますが、ExcelとWordの使用は必須です。
もちろん、Excelの関数やWordの細かい機能を知っておいた方が業務効率は上がりますが、基本的な文字の入力、文書の体裁を整える、罫線が引けるなど簡単作業ができれば問題ないでしょう。
大学職員を目指すために準備しておきたいこと

大学職員を目指すのであれば、以下の2点は意識したほうがよいでしょう。
- 相手の気持ちを汲み取りコミュニケーションをとる
- 簡単なPCの操作に慣れる
それぞれの内容について解説をしていきます。
相手の気持ちを汲み取りコミュニケーションをとる
日常生活を過ごしていく中で発生するコミュニケーションを大切にしましょう。
大学職員は様々な人と関わるお仕事です。
どんな人とでもうまくやっていけるコミュニケーション能力を培うには、たくさん人と関わって経験を積むしかありません。
単純にコミュニケーション能力とはいっても、非常に奥が深いものです。
相手の立場に立って、気持ちを汲み取り会話を行う練習を日ごろからしておきましょう。
簡単なPCの操作に慣れる
難しい操作は必要ありませんが、PCの操作には慣れておいた方がよいでしょう。
基本的な操作ができれば大抵の仕事を行えます。
可能であれば、完璧でなくても構いませんので、できるだけキーボードを見ないで文字が打てるタッチタイプの練習をしておくと仕事の効率を上げられるでしょう。
先ほど、WordやExcelの操作が必須とお話しました。
以下の記事で具体的にどんな作業ができれば問題ないのかを解説しておりますので、ぜひ一度目を通してみてください。


高度なスキルが不要な理由

大学職員に高度な技術やスキルがいらない理由は以下の通りです。
- 業務の基本は対面や電話での窓口対応
- PCの操作は主に資料作成や入力
- 1年間の業務がある程度定型化されている
仕事の内容が理解できるとより安心できるかと思います。
以下の記事では大学職員の仕事内容について解説していますので理解を深めてみてください。


業務の基本は対面や電話での窓口対応
大学の事務職員は対面や電話で相談を受けて、適切に処理していくのがメインの業務になります。
部署にもよりますが、難しいソフトの操作や専門性の高い知識は必要はありません。
ただし、適切な対応をしていくには大学の基盤となる制度の知識は必要です。
など、上記のように受験生から在学生、卒業生にいたるまで様々な方から質問を受けることになるでしょう。
対面や電話応対で問題を解決していく業務が中心になりますので、高度なスキルや資格は不要ですが大学全体に対しての知識は仕事しながらつけていきます。
PCの操作は主に資料作成や入力
ExcelやWordが使用できれば業務上問題はありません。
先述でもお話ししましたが、PCを使った仕事例としては
などが挙げられるため、
このような簡単な操作ができれば大丈夫です。
タッチタイプができると入力が早くなるので仕事の効率を上げられます。
メールについては、それぞれの大学で使っているソフトが変わるかと思いますので入職後使い方を覚えれば問題ありません。
配属される部署にもよりますが、一般的な学生支援部署や総務部署においては簡単なPCの操作ができれば誰でもできる仕事がほとんどなのです。
1年間の業務がある程度定型化されている
1年間の行事がサイクル化されているのも高い専門性が不要な理由のうちの一つでしょう。
学校運営は年間通して大枠の行事が決まっていますので、大きなイレギュラーはあまり発生しません。
ですので、1年~2年ほど業務に取り組むと年間を通しての流れが把握できるようになります。
もちろん、各イベントや行事のやり方については改善を求められるため新しいイベントの追加や実施方法の変更ありますので、完全に定型化されているわけではありません。
ただし、基本的には、年度初めに新入生を受け入れて、日常業務では困りごとの相談解消、定期試験準備、夏休み期間には高校生対象のオープンキャンパスの実施、年末から年始にかけては入学試験の運営、年度終わりには卒業生の送り出しといった形になるのがほとんどでしょう。
学校によって実施するイベントや時期は多少異なるかもしれませんがどの学校でも全体のスケジュールに大差はないはずです。
1~2年ほど勤めれば仕事の概要を理解できるため、最初から高度な知識は不要なのです。
特別なスキルは不要ですが、高いコミュニケーション能力が求められます

いかがでしたでしょうか?
今回の内容をまとめると以下の通りとなります。
- コミュニケーション能力・折衝力
- 問題解決能力
- ExcelとWordの基本的な操作
- 相手の気持ちを汲み取りコミュニケーションをとる
- 簡単なPCの操作に慣れる
- 業務の基本は対面や電話での窓口対応
- PCの操作は主に資料作成や入力
- 1年間の業務がある程度定型化されている
大学職員と聞くとホワイトな職場でワークライフバランスがとりやすいイメージがあるため求人倍率が高く人気の仕事だと感じる方も多いでしょう。
ただ、具体的にどんな能力が求められるのか分かりづらい側面もあります。
大学職員として一番重要なのは、高いコミュニケーション能力です。
専門的な知識や技術、難しい資格の取得は不要です。
ただ、一方で学生が不自由なく大学生活を送れる支援や、教職員が働きやすい環境を作り上げるため、相手の気持ちをよく考えて様々な側面から配慮するスキルが求められます。
もし、皆さんの中で「大学職員を目指したい!」と考えているのであれば、日常生活の中で他人に対して気遣いを意識して過ごすのがとても大切になってきます。
普段の取り組みが採用面接や実務のときに大きく役立つことになるでしょう。
また、基本的なPCの操作を身につけておけば業務において困ることが減りますので、慣れていない方は書店で販売している教本1冊だけで構いませんので、WordやExcelに触れておくのをオススメします。
大学職員は大変な面もありますが、人を成長させたり、丁寧で適切な対応を行えれば感謝されるやりがいのあるお仕事です。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考に大学職員への道を目指してみてください。
以上、本記事の内容が少しでも皆さんのお役に立てたのであれば大変嬉しく思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。