- 主な仕事の種類って、どんなのがあるんだろう?
- 学生対応のイメージが強いけど、他にはどのような業務があるの?
- 実際に働いている人から、現場の様子を聞きたい!
大学職員は、大学の運営をサポートするのが主な仕事です。
では、具体的にどのようなお仕事があるのでしょうか。
10年以上、現役で大学職員として勤めている経験から、一般的な業務内容について解説してきます。
今回の記事では、大学職員としてイメージの強い『学生支援部署』に焦点を当ててみます。
今後、就職・転職先として考えている方や、すでに内定をもらっている方へ、ぜひ、参考にしていただきたい内容になっております。
この記事を読んで、大学職員の全体像をつかみましょう。

一言に『学生支援』といっても、仕事の種類は様々!
皆さんは『学生支援』と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
多くの方が、窓口に立って学生の相談にのったり、証明書発行等の事務作業を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。
確かに、そのような業務も多くあります。
ただし、思い浮かべている業務は、様々な業務の中のごく一部。
実際には多種多様な実務が存在します。
例えば、学生対応の中でも細かく分けることができ、
- 授業・履修科目に関すること
- 学校生活や、課外活動の相談
- 就職活動のサポート
入学してきた『入口』から、大学生活中の『経過』、さらには、卒業する際の『出口』まで、色々な支援が存在します。
大きく分類すると『4種類』の部署がある
一般的な企業と同様、それぞれの仕事で役割分担が行われています。
細かい分類は大学によりけりかと思いますが、大きく分けると以下の4種類になります。
- 学生課
- 教務課
- 就職課
- 国際課
それぞれ、どのような役割で学生をサポートしているかを確認していきましょう。
学生支援部署のそれぞれの役割について
①学生課
『大学職員』として思い浮かべるイメージは、学生課の職員が多いのではないのかと思います。
主な役割としては、学生生活の過程をサポートすることです。
具体的な仕事内容は、
- 経済面で困窮してる学生への奨学金支援
- 部活動やサークル活動の課外活動支援
- 学校生活での悩みや、ハラスメンの相談を行うメンタルケア
- 規則違反をした人への学生指導
- 学園祭などの、学内イベント運営
上記のような業務が挙げられます。
基本的には、学生対応の全般を担う部署です。
そのため、教務課や就職課のように、授業や就職活動に特化しているわけではないので、様々なイレギュラー業務が回ってくる位置付けなのです。
時には、
- 授業中に倒れた学生の応急処置
- 酔い潰れた学生が警察にお世話になった際の引き取り
- 学生同士の喧嘩を仲裁
など、その場で発生したトラブルに対して、最初に駆けつける必要があります。
学生対応の『何でも屋』といったところでしょうか。
大変かもしれませんが、学生と多く関わる機会があり、信頼関係を築くことができます。
一番近くで学生の成長を見届けることができる部署ではないでしょうか。
学生支援部署の中でも、特に幅広い範囲で、学生をサポートするのが主な業務内容です。
②教務課
教務課は、大学生活の『過程』の中でも『授業』に特化した部署です。
学生が、不自由なく学習できる環境を作ることが主な業務となります。
授業を実施するにあたり、例えば、
- 時間割の策定
- 全授業内容が記載されているシラバスの制作
- 休校や補講、教室変更の調整と連絡
- マイクやプロジェクターなど、教室内の機材の整備
- 履修登録についての相談
このような、業務内容があります。
また、授業を行う先生へのサポートも欠かせません。
成績不振者のピックアップ、教員へ報告し面談の実施
授業で使用するレジュメの印刷
授業の理解度やスピード、満足度のアンケートを実施して、結果をフィードバック
授業を快適に行うための環境整備と、学生のみならず、適切な授業を行うための先生へのサポートが主なお仕事内容です。
③就職課
在校生が、社会に出るための『出口』を担当するのが、就職課です。
学生の今後を考え、一人一人に合った就職先をフォローしなければなりません。
学生自身のためはもちろんのこと、OBが勤め先で活躍することにより、大学への評価にもつながります。
仕事の内容としては、
- 就職先の希望調査
- 採用試験用の個人面接練習
- エントリーシートの添削
- 就職状況を学内に報告するための概況作成
- 資格取得のための支援講座の実施
このような感じになります。
学生と向き合い、どのような職場が適切なのか、不自由なく働けるかを常に考えることが大切になります。
また、学生への直接的な支援だけでなく、民間企業や公務員との対外的な関係性の構築も仕事内容に含まれます。
学生のニーズに合わせた、就職先の情報収集が重要です。
- 採用者募集企業の調査・挨拶回り
- ハローワークと連携した就職戦略の検討
- 他大学との情報交換会
卒業後、できるだけ充実した一生を送ることができるよう、人間的な成長の面と受け入れてくれる優良な企業の選定が大切になってくるのです。
③国際課
近年では、多くの外国人が日本での学習を目的に留学してきます。
日本自体も、少子高齢化の一途をたどり、日本人学生だけでは中々定員の充足も難しくなっているのが現状です。
そこで、活躍するのが国際課になります。
具体的な仕事としては、以下の通り。
- 日本語が不自由な学生との、母国語を用いたコミュニケーション
- 日本で暮らすための、基本的な知識の教育
- 日本人学生との交流を活性化させるためのチューター制度の整備
- 不法滞在にならないための在留期間確認
- 日本語力アップのための講座開設
外国人留学生自身も、慣れない土地での生活に不安を感じています。
安心感を与え、日本でも活躍できる人材の育成が主な仕事です。
多くの場合、外国語のスキルが必要になります。
英語や中国語、マレーシア語など、日本への留学が多い地域の言葉話せることが重要です。
また、上記の仕事の他にも、
- 入国管理局への在留更新申請
- 法律で定められている、アルバイト等を行う場合に必要な資格外活動許可申請
- 留学生用の怪我や病気をフォローする、インバウンド保険の加入
このように、生活の基盤となる部分の支援も国際課の仕事に含まれます。
日本で生活するための、土台を作り、大学のグローバル化を進める役割を担う部署です。
多面的に、学生を支え、将来社会に出て活躍できる人材の育成がメインのお仕事
大学は、勉強を学ぶだけの場所ではありません。
彼らが近い将来、社会に出て困らないように教育することが必要です。
時には、学生と衝突することもあります。
社会に出ていく上で、必要なマナーや、人との関わり方や言葉遣いを教えてあげるために、厳しく指導しなくてはいけません。
これから先、長い人生を過ごしていくために、一人の人間として成長を促してあげるのが、本当の『学生支援』と言えるでしょう。
大変なお仕事もたくさんありますが、とてもやりがいのある素敵な仕事だと私は思います。
この記事が、少しでもあなたの手助けになれば嬉しく思います。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました!