新人に仕事を教える時、上手く伝わらないなと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
自分が入職して数年経つと、誰しもこんな経験をしたことがあるかと思います。
分かってしまえば簡単なことなんだけれども、いざ、言葉にして相手に伝えるのってすごく難しいということに気づきますよね。
今回の記事では
仕事を教えるための基本的な5つの手順
教える時の注意点や考え方、ちょっとしたコツ
について、少しでも分かりやすくお伝えできればと思います。
また、新人指導、教育していく中での心構えも知っておくことで、効率よく後輩に成長してもらえるような内容を解説していきます。
人に上手に教えるということは、社会人にとって立派なスキルです。
今まさに、新人を教える立場となった人や、今まで新人教育をしてきたけど本当にこのやり方であっているのかと悩んでいる方の力になれたら嬉しく思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
教える基本の5Step
仕事を教える時には以下のステップを踏んでみましょう。
- 仕事の全体像を教える
- 一緒にやってみる
- 簡単な業務を与えて実践させてみる
- 様子をみて声をかけてあげる
- 『褒める』と『アドバイス』の両方を行う
皆さんも新人だった頃は、早く仕事を覚えようと必死だったはずです。
ただ、気持ちはあっても仕事の知識は何もない状態でしたよね。
その経験があれば何も難しく考えなくてもいいのです。あなたは既に、「こう教えてくれたら分かりやすかったな」という経験をお持ちのはずです。
一から丁寧に教えるのが面倒だと感じてしまう気持ちもわかりますが、相手の立場になって考えてあげることが上手に仕事を教える上で一番重要なことです。
自信をもって新人教育にあたりましょう。
では、具体的な方法をひとつずつ見ていきます。
仕事の全体像を伝える
まずは、今から教える仕事が「なぜ必要なのか」を伝え「最終的にどのような形になるのか」をイメージさせましょう。
いきなり、操作方法やマニュアルを渡して説明しても基本的な知識があなたとは違うため、教えられている方は困ってしまいます。
先輩から説明されている最中に、しっかりと疑問点を示してくれる新人は多くはありません。
結果、あやふやなまま説明が進んでしまい、教えている内容と実際に出来上がった内容に違いが出てしまう可能性があります。
仕事の全体像を最初に伝えておくことで、「この場合はどうすれば」と新人自身が疑問に思い質問してくれたり、理解するスピードや精度が上がります。
教える側にとっても、そこがわからなかったのか!と気づかされ、次に誰かに教える時には注意しようという経験を得ることができるメリットもあります。
一緒にやってみる
仕事の全体像を理解してもらったら、次は実際に一緒にやってみましょう。
「いきなり仕事を任せることはしない」という点がポイントです。
ただし、自分が操作したり実行するのではなく、新人の方に手を動かしながら進めさせてください。
作業を見ている間はすごくもどかしい気持ちになりますが、その感情はぐっとおさえましょう。
時間がかかり、遠回りのような気がしてしまいますが、後々のことを考えるとこちらの方が遥かに効率的だと実感できるはずです。
また、最初に説明していた仕事の全体像を教える中で抜けていた部分の補足にもなります。
とても基本的な部分だったとしても、新人の方からするとわからない点があるかと思いますので、一緒にやりながら少しずつ理解させていきましょう。
簡単な業務を与えて実践させてみる
一通り作業を一緒にした後は、早速お仕事を与えてみます。
お願いする業務で注意する点は
- 難易度の低い仕事に挑戦してもらう
- 一度教えたところを再度聞いてくるという覚悟をもつ
の2点に注意するようにしてください。
難易度の低い仕事に挑戦してもらう
教えたからには、自分が抱えている仕事を投げて業務量を分散したいという心理が働きがちです。
目標とすべきところは、「業務を終わらせる」ことではなく、「新人が自立できるようにする」であることを見失わないでください。
ですので、今の段階では比較的簡単な業務を与えて達成させることをさせてください。
教わる側も教えてもらった内容にそって実行していき、業務を完遂させることで、少しだけ自信がつきモチベーションの向上にも繋がります。
この小さい自信がのちに積み重なり、チームで仕事をするときに、あなたにとっても大きな力となります。
一度教えた場所を再度聞いてくるという覚悟をもつ
ここまでどれだけ丁寧に教えたとしても、人間そう簡単にはいきません。
ほとんどの場合、教えたはずの仕事で同じ、もしくは、少し考えればわかるような内容を聞いてきます。
あらかじめ、「一度で全部理解できる人はいないよな」という心構えをもっておきましょう。
このマインドがないと聞かれた時に嫌な感情が湧いてしまい、最悪の場合、わからないところがあっても相談しにくい環境が生まれる可能性があります。
そうならないように「やっぱりきたか!」と心の準備をしておくことが大切です。
焦らずゆっくり、植えたタネに水をやり徐々に成長させる感覚をもつのです。
上手に仕事を口で説明するよりも、「じっくり待つ」が上手にできる人ほど新人指導のスキルが高い印象を受けます。
様子をみて声をかけてあげる
新人の方は、「先輩に教えてもらったのだから後は自分で頑張ろう!」という気持ちになっています。
責任感が強い子ほど極端に自分の力で解決しようとします。
自分の頭で考えることは今後仕事をしていく上で非常に大切ですので悪いことではありません。
ただ、行き過ぎてしまうと仕事に対して頭を使っているのではなく、「せっかく時間をとってもらい教えてもらったのだから、また聞きにいくのは申し訳ない」という感情も芽生えているはずです。
指導役はその様子も敏感に受け取る必要があります。
すぐに手を差し伸べる必要はありませんが、適宜観察をして、何十分作業が進んでいない様子を感じた段階で「どう?わからないところはある?」と声をかけてください。
自分から聞きにくるのも勉強ではありますが、その力はまた別の機会に指導すれば大丈夫です。
出てきた疑問点に対して直接回答をするのではなく、「どうしたらいいだろうね」と、自分の中では回答が出ていても、一緒に考えるというスタンスをとるのもコツのひとつですね。
『褒める』と『アドバイス』の両方をおこなう
上手に褒めることで、自信と安心感を与える
ここまで、全体像を教え、一緒に実行し、その後実践をさせ、フォローをおこなってきました。
最後は、きちんと『褒めて』あげましょう。
あなたにとっては、とても簡単な仕事かもしれませんが、新人の子にとっては不安な中、自分で考え、精一杯取り組んできた仕事です。
きちんと最後までやり遂げた点に着目して恥ずかしがらずストレートに褒めてあげましょう。
さらに具体的にすると、やり遂げるまでの「過程」に注目して褒めてあげると効果的です。
元々持っている才能や技術よりも、その子が苦労して自分なりに考え、努力をした結果、仕事を完遂した箇所を褒めてあげてください。
上手に褒めることが出来ると、相手は自信をつけることができ、また、自分が取り組んできた内容や、やり方が間違っていなかったと安心感を覚えます。
的確にアドバイスをしてさらに成長を促す
終了した仕事を振り返り、改善点があれば最後にアドバイスをしてあげましょう。
可能であれば、その業務の直接的なアドバイスより、たとえば、業務開始から終了までのスケジューリングが甘いと感じた場合であれば、
- まず、終了目標の日付を決める
- 次に、作業時間がどのくらい必要だったのか
- 最後に、逆算をして、何日前くらいから準備するのがベストなのか
といった形でアドバイスすることにより、今後別の業務でも活かすことができる能力をつけてあげることができますのでオススメです。
まとめと仕事を教える時に重要な心構え
改めて仕事を教える際に必要な基本の5Stepをおさらいします。
- 仕事の全体像を伝える
- 一緒にやってみる
- 簡単な業務を与え実践させてみる
- 様子を見て声をかけてあげる
- 『褒める』と『アドバイス』の両方を行う
業務にはいろいろなパターンがあるかもしれませんが、こちらの基本を意識して実際に取り組んでみてください。
教わる方はもちろん、教える側も色々と勉強になる点が発見できるので、自信の成長にも繋がります。
最後に重要な心構えをお伝えして終わりたいと思います。
私がこれまで新人に仕事を教える時に一番大切にしているのは、「信頼関係を作る」ということ。
これから先、全くトラブルなく会社生活が終了するということは絶対にないはずです。
そんな時、丁寧に仕事を教えて育ててきた後輩の力に救われることが何度もありました。
「〇〇さんにはお世話になったので、これくらいやらせてください」と言われたとき、人間ってこんなにも成長するんだ、と驚いたと同時に、嬉しいという文字や言葉では表しきれないくらい感情が動いたのをいまだに覚えています。
今は自分の仕事で手一杯になってしまい、人に仕事を教えることに対して面倒だったり、苦手意識をお持ちかもしれません。
ただ、その努力はいつかあなたに返ってくる日がきっときますので、どうか大切に後輩を育ててあげてくださいね。
以上、今回の記事が少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しく思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!